親なきあと1

子どもを持つ親は、子どもが大人になっても子どものことが心配です。自分たち(親)がいなくなってもちゃんと生活していけるのか、子どもの家族を養っていけるのか、などいわゆる“親なきあと”の心配がいろいろあります。

中でも知的障害がある子の親はなお心配や不安があります。ひとりで生活していけるのか、住まいはどうすればいいか、お金の管理はできるのか、誰かに騙されるのではないか、病気になったら自分で病院へ行けるのか、など考えればきりがありません。

そこで、知的障害者の“親なきあと”の準備について考えてみましょう。

親は子どもが生まれてから現在までの生い立ちや成長の過程を一番よく知っています。その成長の記録を書き残すことから始めてはどうでしょうか。たとえば、本人の障害特性や性格、健康状態、成育歴、治療歴、生活習慣、日常の暮らし、親の願い、支援者などを思うままに書いてみるのです。また、本人と話しながら書いてみるのもいいと思います。

そうすることによって、本人の将来に対する夢などを実現するための計画を立てることができます。また、将来“親なきあと”に本人が誰かの世話になるときその記録を見てもらうことによって本人に寄り添った支援や見守りなどをしてもらえることが期待できます。